The first museum in the world dedicated uniquely to the theme of japonisme
ジャポニスム ミュージアム
青山資料館
世界初のジャポニスムをテーマにした美術館
ジャポニスムとは、一言で表すと、日本文化の海外進出とその世界的影響のことである。当館ではジャポニスムに関わる図書や美術品を保管し、それら日本と海外のものを並列に展示することによって、両者への理解と鑑賞を深め、さらにはその歴史的関係の解明に役立つ研究を目的としています。
To preserve, exhibit, and research art and publications related to the history of japonisme around the world.
当館では、よく知られているような19世紀の印象派のジャポニスムだけでなく、ほとんど語られることのない18世紀や20世紀における日本美術・文化の世界的な影響のこともご紹介します。幅広い分野に渡って、絵画・写真・テキスタイル・工芸・民芸・日用品などを照らし合わせて解説していきます。例えば、日本の北斎や歌川派の国貞・国芳・芳年・国周などといった浮世絵師、手塚治虫や石ノ森章太郎のような漫画家などと、海外のアーティスト、例えばマティスや、マグリット、クリムト、ミロ、ポロック、ウォーホル、またはマーベルやDCコミックスなどが比較され、独自の研究の対象となっています。また、視覚芸術に限らず、文学や音楽、日常生活にも及んだジャポニスムの例を展示に取り入れています。ジャポニスムという知らざる歴史の世界へ行ってみませんか?知性と美の冒険への入口は、ここ、ジャポニスム・ミュージアムにあり!
The Museum exhibits cover lesser known aspects of Japonisme including its relation to Art Deco, Surrealism, Fauvism, the Vienna Secession, Abstract Art, Pop Art, Graphic/Commercial Design, Modern Architecture, Comics, Modern Sculpture, Photography, Literature, Music, Games and Pastimes, Fashion, Festivities and Holiday Customs, and much more. Just to mention a few of the artists examined: Hokusai, Kuniyoshi, Kunisada, Kunichika, Yoshitoshi, Tezuka Osamu, Matisse, Gauguin, Klimt, Chagall, Bauhaus, Margritte, Modigliani, Miro, Warhol, DC and Marvel Comics. The exhibits compare Japanese art and artifacts with those from around the world with extensive explanations, often based on original research. The applicability of the ideas contained within are not limited to the study of Japonisme alone, but can be applied to better appreciate art and culture in general. Come to The JAPONISME MUSEUM and begin an odyssey into a whole new way of cultural interpretation and understanding!
2024年8月~9月は休館いたします。
入館は無料です。
Museum Hours
The Museum will be closed for the month of August and September, 2024.
Admission is free.
当館ではジャポニスムの様々な課題を
取り上げ、以下の展示コーナー解説文のように
分かりやすく説明してあります。
Uploaded 2024/9/2
常設展「黄金のジャポニスム」2020年
日本美術は実に多様性に富み、その中で簡素で落ち着いた趣味のものもあれば、豪華絢爛・煌びやかなものもある。ここは、後者のような日本の意匠が海外において、どのようなインパクトを与えたかを解説する展示スペースである。
中央の薩摩焼(金襴手花鳥文蓋付飾り壷 Satsuma Kinrande Vase)は、幕末・明治期(19世紀後半)のヨーロッパ帰り博覧会クラスの飾り壷である。当時、輸出品として欧米の上流階級・芸術家の目に触れた金襴手(きんらんで)という金彩色絵磁器であり、マルコポーロが謳った黄金「 ジパング 」以来、彼らが憧れてきたその名に相応しい逸品といえよう。 緻密な花鳥文で絵付けされ、特にウズラが巧みに描かれている。蓋は重厚なひだのある金絹に形取られ、宝石が絹に溶け込んで輝いているその様子は、繊細かつ粋のある、まさに豪華絢爛なデザインである。1890~1900年代を中心に、グスタフ・クリムトなどウィーン分離派の芸術家たちが自らの作品にこれを取り入れようとしたのも不思議ではない。金襴手の壺の両脇にある金属細工・漆器の種のものも、日本のこうした「煌びやか」なデザインの形や用い方の多面性を示す例として当館で展示されている。
また、当館一階奥の床掘り込み展示ケースにある、彩色鮮やかな九谷焼の猫や、二階中央展示室のオールドニッポン磁器の類いの物も、明治期から欧米諸国に多く渡ったが、こうした絢爛艶やかな焼物にある美的感性が、ヨーロッパ各地の芸術家の美意識と融合し、例えば、スペインのアントニオ・ガウディの意匠とも共鳴するところが大いにある。
当館の展示では、左にある1)グスタフ・クリムト 画「ホープ II 」 1907~1908 年 (複写)の真上に、歌川国芳画仮題名「美人と猫」(木版画 竪二枚続、19世紀前半)が置かれ、それとの類似点が展示カードに記載されている。この二枚の絵を縦に並べると、国芳の画風の流れを、クリムトがはっきりと汲んだように映るのが、展示の見どころの一つである。またこのクリムトの絵には、煤竹色・璃寛茶色調の背景に、岩絵具の大和絵にある「 散らし 」を思わせる加工もある。それは当館展示の緑金屏風にも似ている。次に、その右隣にある絵は、2)クリムトの「アデレーブロッホの肖像 I」1907 年 (複写)。これこそ上記の金襴手の壺を彷彿とさせる、艶やかさが特徴的なのだ。クリムトが、日本の工芸や服飾意匠、屏風の切箔や砂子散らしのテクニックなど、和の装飾美に魅了されていたことは、彼の日本美術に関わる遺文を読まずとも、そのカタログ・レゾネのあらゆるところで散見できる。
中央右の3)「Paravent 」(1906 年)は、ウィーン分離派を代表するもう一人の デザイナー、コロマン・モーザーの作品(複写)。日本の柱絵や絵短冊と似た縦長の美人画3枚は、金箔で施したように塗られた三枚屏風から構成されている。その右にあるのが、4)モーザーのテキスタイル用デザイン「ヴェル・サクルム 4500 番」1899年 (複写)である。当館の展示でこれを上記の「荒磯に鯉高蒔絵京漆五段重箱」(19世紀)と比較している (豪勢なこの京漆器は、彫刻の要素も持つ「 五段五面の立体的絵画 」ともいえる)。モーザーのデザインは、ウイーンのテキスタイル会社の依頼で作られ、同社が所蔵する日本の鯉の型紙柄と酷似しているため、それを参考に制作したものと考えられている。彼は家具・テキスタイル・自己のロゴマークを含め、広範囲に日本的モチーフを応用した。
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Uploaded 2021, revisions 2024
ここでいう「触感」とは、自然界の触感、土・石・植物などのいわば「触り心地」を芸術に取り入れて伝えようとする、日本美術の一側面のことを表す。人を包み込む煙や霧など、肌で感じ取れる流動的なもの、渦状のもの、形はないが感知されるものを表わそうとする作品も含まれる。そうした日本の触感的感性が見出した作品の影響が、「触感のジャポニスム」である。茶道や華道、書画や石庭、 岡倉天心の『茶の湯』や谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』などの翻訳本や輸出向け工芸品を媒介して、日本の触感的美学は、海外で注目され、芸術家の造作的な刺激となった。また、この触感の美学に伴う概念の「わびさび」や「しぶい」といった日本の言葉は、そのままの発音で、海外で長い間もてはやされてきた。当館の展示ではドイツの画家アンゼルム・キーファーやアメリカの写真家エドワード・ウエストン(以下の写真)の作品が日本の工芸品と比較されている。
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Uploaded 2021, revisions 2024
前述の「触感のジャポニスム」は、分かりやすく言い換えれば「ゴツゴツ」・「モヤモヤ」のジャポニスム。これに対して、「アールデコ・ジャポニスム」の場合、洗練された高級工芸品に見られる「ツルツル」・「ピカピカ」のジャポニスムといえるであろう。この二種類のジャポニスム、対照的ではあるが、後者を代表する日本の漆・寄木細工の伝統工芸その他装飾美術は、実にアールデコ的なデザイン性に長けているのである。アールデコの特徴は、光沢のある漆黒に金や銀、または濃い朱色その他漆器の色彩、はっきりとした流線形または幾何学的模様などがある。具体的な形としては、市松模様、波線と直線の組み合わせ、ジグザグ、忠臣蔵・新撰組の羽織の「だんだら」端模様と似たパターン、旭日旗のような放射線状、扇の形を抽象化したモチーフ、などがある。これら全てが江戸・明治時代に多かった図像・模様であり、欧米で1920年代~30年代にファション・インテリア・ジュエリーなどのアールデコ作品に現れるようになるのだが、当館の展示では、日本の工芸品と以下のようなアールデコのデザインを並列して解説を付け加えている。
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2021/10/18
詳しくは館内の展示をご覧ください。More on Andy Warhol in the Museum exhibit 'The Japonisme of Variation within Repetition'
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2023/8/31
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2023/9/2
Andrew Wyeth「Berry Picker」1961年 (gravure print PCの場合は上中央、スマホは左下となる)ちぎり絵西本願寺本三十六人家集 (石山切など)12世紀
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2021/10/10
モネ・国貞の画像:Wikimedia Commons
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2023/4/10
絵葉書は日本の明治~大正時代のもの
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2023/9/13
Tiffany「Vase」20世紀初頭 金重陶陽「耳付水指」20世紀半ば、伝統的な形態
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2024/9/13
「竹林図金台屏風」 六曲半双 無落款 江戸中期推定
Robert Motherwell 「Elegy to the Spanish Republic No. 100」 1962 - 1963年 / 1973 - 1975年
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2024/9/15
Kenneth Noland 「Wild Indigo」1967年
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Discover a precocious Surrealism and other 'isms' in 19th century ukiyo-e prints!
The Japonisme Museum is a non-profit, privately run museum and archive established for purely educational purposes. Admission to the museum is free, and none of the material on this website is used for, or is to be used by others for commercial gain.
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